はじめに
前章では、計装エンジニアの計測機器設計の概要について書きました。この記事から、計測機器の種類や、実際の作業内容について分かったと思います。
本記事では、計測機器のうち圧力計および温度計の概要について説明します。
この記事を読むことで、以下のことがわかります。
・圧力計と温度計の種類
・選定方法
作者の紹介
・国立大学の工学部、国立大学院の工学部を卒業し、プラントエンジニアリング会社に就職して7年がたちます
・7年間計装設計業務に携わっています
・Twitter(@myu40073086)もやっていますので、フォローお願いします
種類
まず、圧力・温度計ともに現場で見るのみのタイプと現場からDCSなどへ信号を伝送できる2つの種類にわかれます。
圧力計
・圧力ゲージ:現場で見るのみ。ブルドン管やダイヤフラムタイプなどがある。
・圧力伝送器:4-20mAなどの電気信号を送る。中には圧電素子が組み込まれており圧力を計測する。中には受圧部がダイヤフラムであるものもある。
温度計
・温度ゲージ:現場で見るのみ。バイメタルやブルドン式がある。
・温度伝送器:熱電対と測温抵抗体がある。これらで電圧もしくは抵抗値を検出し伝送器にて電流値に変換する。
選定方法
圧力計
・圧力ゲージ:レンジを決め、あとはベンダーに任せればよいが、ざっくりと通常はブルドン管、低圧であれば、カプセルやダイヤフラム式となる。また、圧力ゲージはアクセサリーが多く、サイフォン管、ゲージセーバー、スナバなど、必要に応じて取り付けることが必要。
・圧力伝送器:レンジを決め、ベンダー任せでよいが、ざっくりと低圧であれば差圧電送機(片側大気開放)、腐食性流体や固まりやすい流体はリモートシールだろう。また、アクセサリとして3岐弁や必要ならロングベントも忘れずに。
温度計
まず、両方とも保護管を必ずつけること。
・温度ゲージ:バイメタル式でよいが、高温流体で離して設置したい場合は液かガス封入式でブルドンタイプのものだろう。
・温度計:高温域は熱電対、通常などは測温抵抗体でよいだろう。国内では伝送器をつけず、DCSなどで電流・電圧変換することが多いが、海外では伝送器をつけて電流値を伝送することが多い。
まとめ(キーワード)
まとめますと、圧力・温度面計の選定方法は以下のようになります。
・現場で見るのみと電気信号を送るものの2つがある
・流体により選定が異なるが、ベンダーに任せても問題なし