今日は仕事のことについて書いてみます。
- 本記事は、DCSのマーシャリングキャビネットの違いについて書きます
- これは個人的なアウトプットですので、参考程度に見てください。この記事により何らの保証や責任を負うものではありません
マーシャリングキャビネットとは?
マーシャリングとは、英単語の意味としては「受け取り側の仕様に合った形式にして」という意味があります。受け取りの定義は決めごとですが、ここではフィールド側の端子を受け取り側とします。 フィールドからの配線(計器、JB経由)を直接IOモジュールやCPUがあるシステム盤につなぐ前に、マーシャリング盤につなぎます。これの意味はずばり、現場の設計とシステムの設計を切り離せることにあります。これによりフィールドからのマルチケーブルはマーシャリング盤の中の端子台に、上から順番に結線します。一方システム盤とマーシャリング盤はあとで設計することとして、まずCPUやIOモジュールの設計をしてしまいます。その後、フィールドの設計が固まったら、フィールドからのマルチケーブルに即した順番の端子に、各IOモジュールからの配線をします。ここがIOモジュールごとの配線ではなく、フィールドからの配線を軸として、配線(ワイヤリング)をするため、クロスワイヤリングといいます。 これにより、フィールド側の設計とシステムの設計をある程度切り離して進めることができます。また、現場と中央を切り離せるので、故障個所の把握が容易です。 もし、IOモジュールの順番でマーシャリング盤の端子を並べてしまうと、マルチケーブルを色々な端子に飛ばすような形で配線する必要が出てくる可能性があります。これを防ぐためにも最初に取り決めておくことが重要です。
マーシャリングキャビネットがないとどうなる?
マーシャリングキャビネットがない場合もあります。その場合はIOモジュールとフィールドからのケーブルをつなぐ端子が、同じ盤内に存在することになります。そうすると、フィールド側からの端子順番が決まらないと、盤設計が進まないことになります。つまり、一方が一方にひっぱられてしまう。これはスケジュール遅延につながります。 ただし、マーシャリングキャビネットを作ると、当然、そうでない場合に比べ、盤面数が増えるため、コストは増大、パネルルームのスペースも余分に必要です。これらを鑑みて決めることが必要です。 本日はここまで。